2011年の東日本大震災伴う東京電力福島第一原発の事故により大気中、水中、及び土壌中に多種多様な放射性物質が拡散された。それらのうち、U-235やU-238のようなα線核種については一般的に半減期が非常に長く、モニタリングの必要性に比して十分な分析が進んでいないのが現状であった。前記のような土壌中の長寿命核種の定量には酸溶解の後にICP-MSを用いる手法が非常に有効であり、本研究では簡便な手法として加熱酸分解により土壌中のターゲットとなる核種の抽出を行い、その精度等を比較することを目的とした。その結果、先行研究と比較しても遜色のない精度で上記α線核種を定量することが可能であることが示唆された。
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