整形外科や歯科における人工関節および人工歯根への置換手術中または術後の感染を予防できる新しいインプラントの開発を目指し、抗菌性イオンを置換固溶したハイドロキシアパタイト粉末の合成を行い、抗菌性を有する元素を添加することによる、生成相や微細組織、抗菌特性をはじめとする諸特性へ及ぼす影響を調査した。 Ag添加により、高い抗菌特性を付与することが可能であるものの、その固溶量は極めて少量であり、添加したAgの大部分は金属Agとして試料中に存在していた。一方、Cu添加では、HApのCaに対して10 mol%程度の固溶が可能であり、本研究にてAgを固溶させて合成したHApと同様の抗菌特性の発現が確認された。
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