研究課題/領域番号 |
25870196
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
花田 隆周 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (90549940)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 歯内療法 / 垂直性歯根破折 / 波長走査型光干渉断層計 / 歯科用実体顕微鏡 / 上顎大臼歯近心頬側第二根管 / 超音波 / 歯の喪失 / 歯の破折 |
研究概要 |
本年度における研究成果は、波長走査型光干渉断層計(SS-0CT)による上顎大臼歯近心頬側第二根管の検出、および歯の破折症例の現状ならびに課題―歯内療法専門外来初診患者にみる現在の歯科臨床のニーズ―について研究発表を行い、SS-0CTを用いることで不要な歯質の切削を避けながらMB2の検出を行うことによる歯根破折の予防の可能性、ならびに歯の破折の客観的な確定診断法の確立の必要性について言及した。また、垂直性歯根破折の基礎的研究成果と臨床における実態との関連性という視点から研究発表を行った。 研究成果における発表では、前者において、ヒト抜去上顎大臼歯40歯を用いmicroCTでMB2の有無を判定し、SS-0CT・肉眼・歯科用実体顕微鏡下にてMB2の有無を評価した。評価結果はmicroCTによる評価基準と比較し、それぞれの検出の感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率、正答度、ROC曲線下面積を算出した。統計学的解析は、Bonferroniの修正を加えたWilcoxonの符号付順位検定を用いて行った。また、評価者間の一致率としてkappa値を算出した。後者においては、平成23年6月に東京医科歯科大学歯学部附属病院むし歯外来を受診した初診患者とし、これらのうち、歯冠破折、歯冠-歯根破折、歯根水平破折あるいは歯根縦破折(以下、「歯の破折症例」と称する)について症例数、診断等を調査した。 本研究により、根管治療において、従来の歯科用実体顕微鏡や超音波に加え、SS-0CTを用いることで不要な歯質の切削を避けながらMB2の検出を行える可能性が示唆された。 また、歯の破折について、一般歯科医師にはその診断法を、患者には歯の喪失原因になり得るという知識を普及させることの必要性が示唆された。以上より、歯根破折の予防という観点から更なる検討が必要であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
垂直性歯根破折の予防の解明において波長走査型光干渉断層計を応用し、ならびに臨床における実態調査研究も遂行しており、研究発表の成果も順次行っている。以上より、おおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
SS-0CTによる上顎大臼歯近心頬側第二根管の検出について論文投稿中である。また、垂直性歯根破折に対し、波長走査型光干渉断層計を含め今までとは異なった視点からの評価および考査について研究発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品を一部前年度より繰り越すことができたため。 予備実験の消耗品に使用予定。
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