思春期の高機能広汎性発達障害(HFPDD)児をもつ親の精神的健康と養育態度の特徴を明らかにすることを目的とした。児童精神科病棟に入院・外来通院中の中学生のHFPDD児とその両親を対象とし、質問紙調査を実施した。 28.6%の親にうつ病のリスクがあり、母親の方がより高いリスクをもっていた。親の精神的健康に影響を及ぼす要因について、母親では、社会との関係、登校状況、多動・不注意、向社会性、父親では、社会との関係が示唆された。また、養育態度が安定している親の方が、子どもの行動は安定し家族機能は高かった。したがって、HFPDD児をもつ親を支援する際は、子どもの社会性・行動と養育態度への支援が必要である。
|