低侵襲なう蝕治療の実現を目指し、象牙質の特徴的な吸収帯である波長6μm帯のナノ秒パルスレーザーを用いてう蝕除去に関して検討を行ってきたところ、波長5.85μmが選択的なう蝕除去に適していることが示唆された。切削特性とう蝕の硬さとの関係性を評価し、選択的なう蝕除去における波長5.85μmの有効性を検討した.抜去したヒトう蝕歯に対して、平均パワー密度30 W/cm2で照射を行い、照射領域における象牙質の硬さを測定した。象牙質硬さの減少に伴う切削深さの増加が観測され、う蝕の切削特性には組織の硬さが影響していることが示された。
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