研究課題/領域番号 |
25870424
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
宮澤 信二郎 法政大学, 経営学部, 准教授 (30523071)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 金融構造 / 寡占 |
研究概要 |
8月末にケンブリッジ大学で開催されたEuropean Financial Association (EFA)の年次大会に参加し,企業金融の理論分析の最新動向を調査した。特に,'Optimal Bank Structure'のセッション(Session Chair: Xawier Freixas)におけるFranklin Allenの報告などからは金融構造の決定を分析する本研究を進めるうえで重要な示唆を得た。また,並行して,Journal of Financeの最新論文をチェックすることで関連する情報を収集した。 一方で,金融構造が市場競争における戦略的コミットメントの手段として利用できることを示したBrander and Lewis (1986)とその後の文献(特にWanzenried (2003)とその関連論文)を詳細に調査し,本研究課題への応用可能性を検討した。 上記の文献調査を受けて,寡占企業のデット・リストラクチャリングが競争結果,特に社会的厚生に及ぼす影響を分析し,一定の場合に,政府だけあるいは民間だけによるものではなく,政府と民間の協力による債務削減が望ましくなることを示した。分析結果は,3月に南山大学で行われた法の経済分析ワークショップで報告し,経済学者のみならず法学者からもコメントを受けた。これを受けて,早い時期に論文にまとめて公表する予定である。また,本研究の構想と途中経過については,6月に法政大学経営学会にて報告し,関連諸分野の研究者からコメントを受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り,EFAの年次大会に参加して最新の研究動向を把握してきた。また,Wanzenried (2003)とその関連論文を詳細に検討し,成果は未公表であるものの,モデル化・分析に関してめどが立ってきている。以上により,2014年度中に研究成果を論文としてまとめ,査読誌に投稿できると考えられるため,研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
早い時期に研究成果をまとめた論文を完成させ,関連する研究会などで報告して,論文の完成度を高める。並行して,日本経済学会など関連する学会に参加して,関連する研究動向について情報を集め,論文の執筆の参考にする。以上を受けて,なるべく早い時期に査読誌に投稿し,公刊を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
所属機関の変更(神戸大学から法政大学)のため,研究会参加のための出張の必要性が低下し,また,所属機関における業務の都合により,研究会や学会への参加ができなかったため,国内旅費が発生しなかった。また,英語論文が完成していないことから,英文校正の費用が生じなかった。以上の理由により次年度使用額が生じた。 2014年度は,当初計画よりも,日本経済学会などの学会へ参加する国内旅費,論文の英文校正費を多く見込む。
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