資産代替問題に直面する企業の最適負債契約とその結果の資金配分について分析し,最善の借入額・資金配分は自己資金の水準が一定以上のとき,そしてそのときに限り実現できること,自己資金がこの水準を満たさないが比較的に多いときには資産代替が起こらないものの借入額が過少になり,自己資金がかなり少ないときには資産代替が起こることを示した。更に,競争結果への影響を分析し,資産代替の発生が非競争的な市場における総生産量を増加させることで経済全体の厚生を高める可能性があり,また,ストックの財務改善がフローの財務内容を却って悪化させ,しかも,経済全体の厚生も悪化させてしまう可能性があることを示した。
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