研究課題
本研究課題では,ヒトの脳内における意思決定プロセスを解明するため,これまでに広く検討されてきた一つの正答が存在する事態における意思決定に加え、それとは異なる特徴を持つ正答が存在しない事態での意思決定(例:職業選択)についての検討を行っている。当該年度では以下の4つの成果を得た。1.正答のない意思決定(職業選択)時に正答のある意思決定と同様,強化学習で説明可能な学習が生じていることを行動データから明らかにした。また,その学習による行動の変化を予測する脳活動は,正答がない場合とある場合とで異なることも明らかとなった。この成果についてはScientific reportsに掲載された。2.正答のない意思決定においても,正答のある意思決定の場合と同様,報酬感度や抑うつの程度といった個人差が意思決定を通しての学習の程度を予測することを明らかとした。報酬感度との関連については生理心理学と精神生理学への掲載が決まり現在印刷中である。抑うつとの関連については英語論文としてまとめ,現在修正再投稿中である。3. 正答のある意思決定の場合とは異なり,強化学習モデルを用いて正答のない意思決定時の行動データを解析する際には各刺激についての選好の初期値を推定する必要があるといった技術的な問題点が存在することを明らかにした。その問題点とその解決法についての論文は現在投稿中である。4.意思決定課題で使用する表情刺激作成時に収集したデータを論文にまとめ, Current psychologyとJournal of Nonverbal Behaviorに掲載された。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)
生理心理学と精神生理学
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Current psychology
10.1007/s12144-016-9448-9
Journal of Nonverbal Behavior
10.1007/s10919-017-0251-6
Scientific Reports
巻: 6 ページ: 32477
10.1038/srep32477
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