本研究では、抗酸化能の強さを画像として捉え、さらには抗酸化物質の局在を可視化できる化学発光イメージング技術の開発を行った。本法は、抗酸化物質と電子伝達体であるキノンとの間の酸化還元反応に伴って生じる化学発光を CCD カメラにより撮影するという原理に基づいている。マイクロプレートのウェル中の試料に、キノン及びルミノールを添加してから生じる発光を画像撮影して解析することで、多数の試料の抗酸化能を一斉に評価することが可能であった。さらに、食品の切片試料について化学発光イメージングを行ったところ、特徴的な化学発光強度の偏りが観察され、強い発光を与えた部位に抗酸化物質が集積していることが示唆された。
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