本研究では、近赤外光の照射方向を変化させることで虹彩領域や虹彩端に生じる陰影変化を用いて生体検知と個人認証を同時に行う虹彩認証法の開発を行った。虹彩端の陰影変化を用いた生体検知について、人工眼球を用いた偽造虹彩で性能評価を行った結果、偽造虹彩を完全に排除できることが示された。また、生体認証については、スコアレベル融合に用いる重みと照明の照射方向の組合せを変化させて認識性能を調査した。実験の結果、照射方向が15°と60°の組み合わせでEERが0.21%と最も低くなり、照明の照射方向が被験者の正面である0°の場合より大幅に認識精度を向上させることができた。
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