低酸素性虚血性脳症(HIE)は興奮毒性誘発神経細胞死により引き起こされる脳障害であり、新生児死亡、脳性麻痺、発達障害の原因となり、これらに有効な治療戦略を開発し小児・新生児を救うことは我々の社会的に重要な使命である。プロスタグランジン(PG)類が興奮毒性により脳内で産生が増加することが知られている。我々は複数存在するPGの中でPGD2およびPGF2alphaが、興奮毒性による神経細胞死に関わることを明らかとした。HIEをはじめとした興奮毒性を介した神経細胞死に対して、PGD2とPGF2alphaの産生抑制が特に神経細胞死の抑制に有効であることが示された。
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