研究課題/領域番号 |
25870807
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
山縣 宏之 立教大学, 経済学部, 准教授 (80389402)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ソフトウェア産業 / インタラクティブ・メディア産業 / 知識労働者 / 産業集積 / アメリカ / シアトル |
研究概要 |
平成25年度の研究実績は以下の通りである。知識労働者主導型産業集積、産業クラスター、起業家活動に関する内外の先行研究について、書籍、学術論文を網羅的にサーベイして整理し、先進国、北米における知識労働者あるいはクリエイティブ人材の重要性について、研究がどの程度進んでいるのかを確定し、調査の前提となる分析視角をブラッシュアップした。 シアトルにおけるソフトウェア、バイオテクノロジー、インタラクティブ・メディア企業に対するアンケート調査を行い、41件の回答を得た。回収率は6.2%であり、3%程度と回答率が低いことの多いアメリカ・ハイテク企業対象の調査としてはそれほど悪くない結果が得られた。創業・定着要因に関するソフトウェア、インタラクティブ・メディア企業に対するインタビュー調査を6件行った。併せて、インタラクティブ・メディア産業の地域業界団体に調査に入り、当地の産業の成立、展開状況について詳細な聞き取りを行うと共に、具体的な産業施策等について聞き取りを行った。ソフトウェア開発に関連する日系企業1社に調査に入り、客観的な視点から、シアトルの知識労働者主導型産業集積の発展の現状についての聞き取りを行った。 ソフトウェア技術者に対する聞き取りは、聞き取り対象者が多忙なため、調査に入った企業に協力を得た上で、10名からアンケートの回答を得た。 本研究課題のバックグラウンドとなるアメリカ連邦政府の産業政策あるいは競争力政策の展開について、特にイノベーション政策の展開に留意しつつ、学会で報告を行った。シアトルの知識労働者主導型産業集積の特徴と構造について、学会後援の大学研究所国際シンポジウムにおいて報告し、内外の研究者とディスカッションを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初計画通り進んでいる。当初計画では聞き取り調査が難航することを想定していたが、概ね必要な業種の企業に調査をすることが出来た。技術者アンケートについても基本的な類型と判断される回答を得た。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画では企業に対する聞き取り調査が難航することを想定していたが、概ね必要な業種の企業に調査をすることが出来た。平成26年度は当初計画通り、追加インタビュー調査を主として行うこととしたい。つまり平成26年度当初計画通りに計画を進めたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費は、当初計画では主として図書資料を購入予定であったが、所属大学の間接経費分の補填制度により、十分な図書資料費を配分頂き、まずは間接経費分の補填分を優先して使用させて頂いたためである。人件費・謝金は、過去実績から想定した当初計画よりもスムーズに企業インタビューに入ることが出来たこと、人件費・謝金として支出予定のものを、所属大学の費目計上方法に合わせて、「その他」として支出したためである。その他は予定より多く支出しているが、上記の理由による。 物品費は、主として図書資料費として研究成果およびそのアウトプットを最大化するために、効率的に使用させて頂く。人件費・謝金分は、所属大学の費目計上方法に合わせて、人件費・謝金ではなく、その他として使用する予定であるほか、研究成果の国際的発信のための作業費に充当する予定である。
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