研究課題/領域番号 |
25870922
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
溝渕 英之 龍谷大学, 経済学部, 講師 (10516793)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Malmquist指数 / 偏向的技術進歩 / 距離関数 / 生産フロンティア |
研究概要 |
本研究の目的は、技術進歩の既存の指標を一般化し、「技術進歩の程度」のみならず、「技術進歩の偏り」までも捉えられる新たな指標を開発し、それに基づき、各国の技術進歩をより詳細に計測することである。 平成25年度の研究実績は以下のようにまとめられる。第一に、距離関数を用いて、偏向的技術進歩が生じている場合に、「技術進歩の程度」をより正確に計測できる、生産性指数を考案したことである。第二に、上記の生産性指数の計算方法を、包絡分析法と物価指数論の両アプローチから定式化したことである。第三に、Penn World Table 8.0を用いて、上記の生産性指数を包絡分析法により計算し、1970年から2010年までの世界の技術進歩をより詳細に計測したことである。その結果、通常のMalmquist指数と比較することで、多くの時期・地域で偏向的技術進歩が生じていることを確認した。 本年度の研究成果は"Multiple Direction Vectors for Measuring Biased Technical Change"にまとめており、来年度は海外学会で報告する予定である。本年度は、「技術進歩の偏り」の指標については、2種類の方向ベクトルを用いた、より正確な指標を考案することができた。しかし「技術進歩の偏り」の指標については、偏りが生じているかどうかについては判断できるもの、どの生産要素に有利なように技術進歩が生じているかについて捉えることはできない問題が残る。来年度は、後者の指標についてさらなる拡張を考えたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
指標の定式化、データベースの整理、計算のためのプログラミングなど、多くの作業を行ったため、論文にまとめるのが遅れた。しかし一方、来年度行う予定だった包絡分析法による研究も今年度開始し、成果を上げることができた。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、研究を進めながら、同時に今年度の成果を論文にまとめて、国内外の学会で積極的に報告する。そして、論文を改訂し最終的に国際学術誌へ投稿したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
論文執筆が204年3月にずれ込んだため、英文校正を依頼するのが遅れてしまったため。 すでに依頼している論文を含め、複数の論文を早々に英文校正に依頼する。
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