本研究は、第二次世界大戦後本国と植民地との関係が変化する中で、イギリスの植民地省が植民地に対して開始した社会福祉政策とその変容、及び植民地省に協力した本国の女性団体の関与の在り方について明らかにすることを目的とした。植民地省との協力の下、植民地における婦人会設立や、植民地からの渡英者の歓待.訓練に関わった全英婦人会連合の活動内容に加え、先行研究で焦点が当たってこなかった1940年代から50年代にかけての植民地省の社会福祉政策の変容について史料から明らかにした。また、植民地省が「現地の主体性」の醸成するコミュニティ・デヴェロップメントを重視したことが女性への注目につながったことが明らかになった。
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