現在,アジア近隣諸国における安価な繊維製品が市場に拡大しているため,日本の繊維産業は衰退傾向にある.そこで,日本の繊維産業は差別化を図るために意匠糸作りを目指している.本研究では仮撚加工糸の糸形状に1/fゆらぎを付加した加工糸の生産を検討しているが,仮撚加工糸の製造方法および評価方法は現在ほとんど公開されていない.したがって,これの基礎研究として,糸太さにゆらぎを付与するための設計資料を得ることを目的とする.様々な方向から加工糸を撮影するための糸形状撮影装置を製作し,仮撚加工糸の三次元形状を評価した.その結果,加工条件である糸張力と撚りが,それぞれ糸形状に与える影響を把握することができた.
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