本研究は日本で最も富栄養化した湖沼である霞ヶ浦において,植物プランクトンの枯死に伴うリンの動態について研究を行ったものである.本研究における主な研究成果を以下に示す: (1)M.aeruginosa中に含まれる主要な有機態リン化合物はRNA-Pであったが,DNA-Pはほとんど含まれていなかった.(2)懸濁物中に含まれる主要な有機態リン化合物はRNA-Pであり、その変動が重要であると考えられた。一方で、M. aeruginosa中のリン化合物組成と異なり,DNA-Pも少量ながら含まれていた.M. aeruginosaが優占している場合にはDNA-P濃度が低く、(1)で得られた結果とも整合していた.
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