インスリン様成長因子(IGF-1)は骨格筋の筋成熟や筋肥大を誘導する作用をもつ.一方,気道内 IGF-1は気道のリモデルング,収縮,炎症を惹起する.本研究は運動が血中IGF-1を増加させ,さらに気道内 IGF-1の分泌量を変化させるか検討し,運動が気道収縮を起こす要因,すなわち運動誘発性喘息の発症メカニズムの基礎的研究を行うことを目的とした.健常男性において一過性高強度レジスタンス運動を実施した結果,血中IGF-1は有意に増加したが,気道内 IGF-1は微量で検出出来なかった.ただし,気道炎症の指標である呼気NOは5名に増加がみられた.運動ストレスが気道に与える影響はさらなる検討が必要である.
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