本研究の目的は、国際大会に出場するようなエリート・スポーツ選手の育成を目的とするアマチュア・スポーツ組織(以下、ASO:Amateur Sports Organization)と、ASOに商業化をせまる社会的圧力との関係性を再検討することである。既存研究は、「商業化はASOの自律性を損なうため、ASOは商業化を嫌う」という対立構造を前提としていたが、本研究では必ずしもそれは妥当でないと考えた。そこで本研究では、企業スポーツを抱える約100社を対象に、バブル崩壊後から今日までの間(1990~2013年)に、自律性を損なわない形で商業化したケースはあったか、なぜそれが可能だったのか、を分析した。
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