昨年度に引き続き、平成26年度も衛生博覧会運動に照準を絞って近代ドイツ社会における細菌論の普及過程について研究した。その際、19世紀の博覧会にまで遡り、細菌論が定着する以前の展示の特徴についても考察の射程を広げ、その成果を論文「コッホ細菌学と衛生博覧会」(『史境』第68号、2014年)として公表した。 また、その後はドイツ第二帝政期における最大規模の国際衛生博覧会であるドレスデン国際衛生博覧会(1911年)を考察の対象とし、その中間報告として「ドレスデン国際衛生博覧会に見る細菌論の啓蒙戦略」と題して第35回歴史・人類学会(於・筑波大学)で発表を行った。
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