本研究は、第一にセクシュアリティの発達過程の解明を目的とした質的調査である。なかでも、発達過程においてセクシュアリティが定まらず混乱模索中といわれるクエスチョニングの生態学的システムを記述した。セクシュアリティの気付きは対人関係(友人、パートナーなど)や所属するコミュニティ(学校、職場など)の活動を通じてもたらされていた。特に恋愛において自身のままならなさや内なる欲求が発現されている点が共通していた。異なるジェンダーを生きる自分の表現の仕方が定まらず、生き辛さを抱えていた。 第二に、今後、実証的縦断研究で用いる質問項目作成のための理論的検討を行った。
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