本研究は、環境や社会に配慮された商品を認証する「倫理的認証ラベル制度」を社会学的観点から分析することを試みたものである。本研究では、認証ラベルを導入するコーヒー流通業者に聞き取り調査をおこないその機能を分析した。結果、企業は道徳的コミットメントというよりも、むしろ自らの環境への適応に志向して倫理的取引をおこなっていた。認証ラベルは社会的価値を企業の利害関心に組み込むことによって倫理的市場を形成し、企業が目的合理的に社会的価値を追求するという新たな位相を生み出しているということが、この分析によって明らかとなった。
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