本研究の目的は、近年新しく発見された原子核の電気双極子共鳴であるピグミー双極子共鳴(PDR)の発達過程をジルコニウム同位体に着目した測定を行なって確かめることと、ピグミー双極子共鳴の構造を観測する手法の開発を行なうことであった。
ジルコニウム同位体のPDR測定については、PDRの強度発達が理論的に予想されている励起エネルギー4MeVから7MeV付近を測定するための開発が完了し、2015年5月から6月にかけて現在実験を実施中である。PDRの構造観測手法の開発については、実際に設置する検出器に対するバックグラウンドの評価を行ない、このバックグラウンドに対する遮蔽体や標的を設置する真空槽を製作した。
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