カゴメ格子上の電子系は、分散をもたない平坦バンド構造を持つことが知られている。本研究では、カゴメ格子を持つ新物質探索と機能性発現を目的とし、YCr6Ge6の超伝導化を試みた。 様々な元素置換を行ったYCr6Ge6多結晶および単結晶を作製し、物性評価と透過型電子顕微鏡観察を行った。超伝導の発現は見られていないが、YCr6Ge6単結晶においてc’ = c/2の長周期構造が局所的に形成されていることが明らかになった。また高分解能電子顕微鏡観察の結果、この長周期構造の他に10数nm間隔という高密度で反位相ドメインが形成されていることがわかった。この長周期構造を利用した超伝導化を現在進めている。
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