位相空間における層流と乱流の境界上の不変集合はエッジ状態と呼ばれる。本研究では、正方形ダクト流れに対して、流れ方向の計算領域の大きさを変化させ、三種類の異なるエッジ状態を得た。短い計算領域の場合、エッジ状態は計算領域全体に広がった定常進行波解となった。計算領域を中程度に拡張すると、エッジ状態はカオス的な振舞いを示し、時折乱れが局在する様子が観察された。さらに流れ方向計算領域を広げることで、乱れが局在した定常進行波解がエッジ状態として得られた。ここで得られた局在解は層流状態に極めて近い特性を示し、振幅が非常に小さい乱れであっても乱流遷移の引き金になりうるという点で重要性をもっている。
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