原子層レベルで急峻な界面を持つ高規則度L21-Co2FeSi電極をスピン注入・検出電極に用いることで、従来電極(Fe/MgOトンネル接合電極など)よりも二桁近く高いGe中へのスピン生成効率(~0.12)を実現し、その検出温度を100 K以上も上昇させることに成功した。また、硫化アンモニウム水溶液によるp-Ge(111)基板の表面処理が、原子整合した体心立方構造金属/Ge(111)接合によるフェルミレベルピニングの影響の緩和効果を大幅に安定化させることを見出した。更に、金誘起層交換成長(GIC)法を改善して大粒径化させたGe結晶粒を用い、300℃以下という低温で薄膜トランジスタの作製に成功した。
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