てんかんは難治性の脳疾患の1つである。神経分泌蛋白質LGI1の変異は家族性常染色体優性外側側頭葉てんかんを引き起こす。その分子病態機構を明らかにするため、変異LGI1蛋白質を発現するてんかんモデルマウスを作製し、解析を行った。その結果、変異によるLGI1の構造異常がてんかんの原因であることを明らかにした。さらに、タンパク質構造異常を回復するケミカルシャペロンをてんかんモデルマウスへ投与することで、変異蛋白質の分泌及びADAM22受容体への結合が回復し、マウスの痙攣が緩和された。この結果から脳機能におけるLGI1-ADAM22複合体の重要性と、ヒトてんかんの新たな治療戦略を示した。
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