調節性分泌における分泌顆粒の細胞膜ドッキングの意義を明らかにするため、生きた膵β細胞でのインスリン顆粒の細胞膜ドッキングと膜融合過程を、全反射蛍光顕微鏡を使って直接観察した。その結果、ドッキング顆粒は分泌応答性に乏しく、分泌応答の際には、ドッキング顆粒へのプライミング因子Munc13-4の集積とグラニュフィリンの解離をともなうことが明らかになった。このことは、ドッキングによりインスリン顆粒の分泌が抑制されていることを示しており、ドッキングしている分泌顆粒が、刺激後、早期かつ選択的に開口放出するという今までの考えとは異なっていた。
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