種々の炎症性疾患においてDPP4発現が増加することから、DPP4が慢性炎症状態に何らかの役割を果たすと仮定し、新規DPP4阻害薬SK-0403を用いて検討を行った。SK-0403は、脂肪細胞-マクロファージ共培養系におけるLPS誘発性炎症性遺伝子発現および炎症性サイトカイン産生を抑制した。また、SK-0403はマクロファージのLPS-NF-κB/AP-1活性化経路を抑制した。マウスにLPS投与することで肝臓・脂肪組織内の炎症性遺伝子発現は顕著に亢進するが、SK-0403を同時に投与することで減弱した。さらに、肝臓におけるLPS誘導性NF-κB活性化がSK-0403投与によって抑制されていた。
|