過重労働のストレスによるうつ病や自殺につながる「疲労」のメカニズムの解明は重要であると考えられている。しかし、疲労の原因物質が同定されていないため分子機構は不明な点が多い。本研究では、疲労の原因となる分子(疲労因子)の候補を検索し、マウスへの導入実験により疲労との関連を検証することを目的とした。当研究により、疲労因子Aおよび疲労回復因子X, Yを特定した。興味深いことに、運動疲労と運動を伴わない疲労を比較した結果、両方で疲労因子Aの活性に有意な差が観察され、運動を伴わない疲労は疲労因子Aの活性が持続していた。これは、疲労回復因子Xの発現メカニズムが2種類の疲労で異なることを示唆している。
|