研究課題/領域番号 |
26243007
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
P・A SEATON 北海道大学, 国際本部, 教授 (70400025)
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研究分担者 |
西川 克之 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (00189268)
岡本 健 奈良県立大学, 地域創造学部, 講師(移行) (20632756)
山田 義裕 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (40200761)
山村 高淑 北海道大学, 観光学高等研究センター, 教授 (60351376)
須川 亜紀子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (90408980)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | コンテンツツーリズム / ポップカルチャー / フィルムツーリズム / ヘリテージツーリズム / 文化の伝播と受容 / 他者理解 / 文化的安全保障 / インバウンド |
研究実績の概要 |
平成26年度は科研費補助研究予定期間5年のうちの1年目であるが、科研費補助前より、本研究の実施に向け、本研究チームが自主的に実施してきた予備研究成果の一部が、以下の出版物として刊行された。まず、Japan Forumの特集号である。次に、 北海道大学メディア・コミュニケーション研究院の報告書である。2013年にビートン・山村・シートンが発表した英語論文の和訳、西川の前書き、6本の研究ノート。また、このほかに、研究グループのメンバーが個人的に論文の発表を行っている。 国内外の研究発表会においても研究成果を発表した。シートンとビートンがTravel and Tourism Research Associationの研究発表会(2014年6月、ブルージュ)、ビートンが Tourism and Hospitality Researchの研究発表会(2014年12月、ニュージーランド)で発表。また、Association for Asian Studiesにおいてパネル発表(シートン、山村、須川、張、2015年3月、シカゴ)を行った。さらに、北海道大学観光学高等研究センター主催の観光創造研究会において、コンテンツツーリズムをテーマとするシンポジウムを開催した(2015年3月15~16日)。 本年度より大規模調査を2件開始した。一点目は、北海道の全市町村(179自治体)を対象とした、自治体のコンテンツ・ツーリズム戦略とその実態に対するアンケート調査である。二点目は、海外でのジャパン・コンテンツ関連イベントにおけるファンの旅行行動に関する調査である。本年度は、パリで開催されたジャパン・エキスポ2014の会場にて、調査を実施した。 北海道大学東京オフィスで会議を行った(2014年9月24日)。今後のプロジェクト計画について議論した。翌日には、三鷹市のジブリ美術館で実地取材ならびに関連資料収集を行った。 オンライン学術ジャーナルInternational Journal of Contents Tourismのウェブサイトを構築した(2015年4月に公開。運用開始)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要:プロジェクト1年目の活動はほぼ計画通りに行われ、業績も形とすることができた。本プロジェクトの大きな4つの研究項目(北海道におけるコンテンツツーリズム研究、全国の事例研究、海外のポップカルチャーイベント研究、海外のケーススタディ研究)のいずれにおいても、順調に研究活動が進展している。さらに当初計画以上の研究の進展が以下のとおり3点あった: 『マッサン』研究:当初計画では、NHK連続テレビ小説『マッサン』の研究を想定していなかったが、小樽商科大学の研究チームと研究協力関係を構築することができ、具体的に共同研究を実施できた。本案件は、北海道におけるコンテンツツーリズム研究の重要な一部分となり得るものであり、次年度以降、継続して注力していく予定である。 シンポジウム:当初計画では、初年度にシンポジウムを開催する計画を有していなかったが、研究進捗が順調であったこと、北海道大学観光学高等研究センターの協力が得られたことにより、札幌において2014年3月、約50名による規模のシンポジウムを開催し、研究成果の好評、関連する議論を行うことができた。 書籍刊行に向けた契約:当初計画通り、Association for Asian Studiesに参加し、研究発表会に参加したが、その際のパネル発表が大きな注目を集め、複数の出版社から問い合わせがあった。具体的に、同国際学会の会期中に、複数社との打ち合わせを行い、最終的に2社と口頭合意を得て、平成27年度から28年度の前半に向けて、本研究の成果を取りまとめた書籍原稿を出版社に提出する予定となった。出版社の審査を通過した場合、2017年に英文書籍が2冊刊行される見込みである。 遅延事項:当初計画では、International Journal of Contents Tourismを平成26年度秋に公開する予定であったが、サーバー契約や学内調整に時間を要したため、大幅な遅れが生じた。これら問題は現在いずれも解決し、2015年4月、無事公開に至った。
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今後の研究の推進方策 |
上述した平成26年度(研究期間1年目)の成果は本プロジェクトの基礎をなすものであり、この基礎の上に、次年度以降、より高度な研究成果を蓄積していくべく、具体的に以下のような計画を進めていく予定である: ポップカルチャーイベント調査:海外で開催されている日本のポップカルチャー・イベントについて、継続してフィールドワークを実施する。1年目に行った予備調査の分析を踏まえ、複数の海外イベントを取り上げ、実地調査を行う予定である。本研究チームのメンバーそれぞれが、以後4年間で6~8程度のイベントで調査をする予定である。また同時に国内のポップカルチャー・イベントの実地調査も行い、海外事例との比較を行う予定である。 研究者の招聘:海外から2~3人の研究者を招聘し、フィールドワークを実施するとともに、プロジェクトの進捗について討議を行う。また継続して、プロジェクトメンバーそれぞれが、分担研究を進め、その成果を学術論文・書籍として執筆し投稿、刊行を行う。 学会誌の運営:2015年4月に公開したInternational Journal of Contents Tourism において関連研究成果を公表し、内容を充実させていく。同時に、同ウェブサイトとソーシャルメディアとの連携を図り、オンライン上で、プロジェクトの広報ならびに研究の周知を図り、成果の社会還元を行う。さらにこうしたプラットホームを活用し、コンテンツツーリズムに関する研究論文を、グループメンバー以外の研究者からも広く募集することを試みる。 『マッサン』研究に関するシンポジウム:平成27年度は、国際研究発表会の予定をしていないが、上述の『マッサン』研究を中心に、連続テレビ小説とツーリズムに関して、北海道内でシンポジウムの開催を計画している。
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備考 |
作成した学会誌のウェブサイト
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