研究課題/領域番号 |
26245020
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 基史 京都大学, 法学研究科, 教授 (00278780)
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研究分担者 |
飯田 敬輔 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00316895)
石黒 馨 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (20184509)
岩波 由香里 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (40635447)
栗崎 周平 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (70708099)
多湖 淳 神戸大学, 法学研究科, 教授 (80457035)
岡田 章 京都大学, 経済研究所, 教授 (90152298)
小浜 祥子 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 准教授 (90595670)
中山 裕美 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (90634014)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 国際関係論 / 国際政治経済論 / ゲーム理論 / グローバル・ガバナンス / 国際安全保障 |
研究実績の概要 |
本研究の初年度の平成26年度から28年度までに研究組織の代表者・分担者が研究成果の一部として作成した単著および共著の英語論文、合計11部をまとめ、平成29年3月に、シュプリンガー社から、Games of Conflict and Cooperation in Asiaという題目の編著書を紙媒体と電子ブックという2形態で公刊した。同社専門委員の編集アドバイスを参照に、研究組織の合議として同書の地域的射程をアジアに限った。ただし、本編著書では、グローバル・ガバナンスを基調にして分析枠組みを構築しており、本科研計画の基本路線からの変更はない。アジアにおいては、その政治的・経済的な多様性から域内のみで政策協調を確保することは難しいため、域外の国々やグローバル制度と連携することが協調の実践的工夫となっている。この点を勘案して本編著書では、地域ガバナンスとグローバル・ガバナンスとの連携の制度とその有効性を、安全保障、貿易、通貨・金融という政策領域について分析した。 そのほか、研究組織はグローバル・ガバナンス自体に関わる分析を当初の研究計画にしたがって着実に実施した。とりわけ、前年度に作成した分析モデルをデータ解析にかけ、仮説検証、検証の結果の評価、齟齬があった場合の理論モデルの修正を手掛け、研究の問いであるガバナンス変容の原因を特定し、変容の効果を解析した。これらの検証結果によって、最終年度の平成29年度には新たな論文の作成に着手できる状況が整った。 最後に、平成26・27年度と違い、今年度は国際学会での研究報告はなかった。その理由として、本研究の成果報告に相応しい米国国際関係学会(ISA)が日本の大学の入試日程と重なったことが挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上記の研究実績の概要で記したように、今年度、本研究計画の成果の一部である英語の編著書Games of Conflict and Cooperation in Asiaを公刊することができた。この編著書は、研究計画通り、1名を除いた研究組織の全員が一致団結して研究を行い、その成果をまとめるという共同研究の典型である。研究計画では、基本理論の提示、それに基づいた分析モデルの構築、ゲーム理論による仮説の演繹、質的・量的データを用いた仮説検証、結果の評価という社会科学の手順を着実に踏んでいる。 その一方で、最終年度に当たる平成29年度に向けて新たな成果を創出できる分析結果や課題(下記の今後の研究の推進方策を参照)を得ており、研究の進捗があったと評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画では、最終年度にあたる平成29年度には成果のまとめ・発信を予定している。具体的には、研究組織の構成員が前年度までの研究結果と研究会や国際学会で得られたコメントを踏まえて、邦語・英語で最終校を仕上げ、国内外の学術誌への投稿や著書をまとめる予定である。 その過程で、分析モデルの欠陥、仮説検証に関わるデータ不足などが発見されれば、適宜必要な補完作業を行う。そのひとつとして現時点で、グローバル・ガバナンスの変化の一原因を国際機関の組織改革に見出す組織論を検証する際のデータが不足していることが分かっている。最終年度前半に、この不足しているデータを補完する海外調査を予定している。
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