地球上部マントルで観測される地震波速度異方性は,弾性異方性を持つかんらん石の結晶軸選択配向(CPO)が主要な原因と考えられている.拡散クリープ下での実験試料の表面観察を行い、粒界すべりに伴う粒子スイッチンングおよび粒子回転の存在を明らかにした(Maruyama & Hiraga 2017a)。次に、マントル深度に応じた様々な安定な鉱物における低指数面粒界の発達を調べ拡散クリープ下でのCPO発達を予想したところ、全マントル内での地震波速度異方性深度域と良い一致を示した。これを元に、全マントル拡散クリープ(超塑性)説を提唱した(Maruyama & Hiraga 2017b)。
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