研究課題
基盤研究(A)
居住環境の改善がもたらす健康維持増進に着目し、大規模実測調査を行った。断面調査では、住宅内環境や断熱性能と健康(血圧・活動量・睡眠)の関係を調査し、低室温環境が血圧の上昇を招くこと、断熱性能の向上による非居室の温熱環境改善が活動量向上に寄与することを示した。中でも、高断熱住宅への転居前後の調査では、転居後の室温上昇につき睡眠効率が向上することが示された。また、高齢者を対象とした調査では、住宅を寒いと感じる頻度が少ない者ほど健康寿命が長いことが示唆された。以上を踏まえた要因分析では、高断熱住宅の普及増加が脳血管疾患入院患者割合を抑制する可能性が示され、高断熱住宅普及の重要性が示された。
建築環境工学