食料輸出の多様化にともなう取引条件、契約締結プロセス及びニーズの解明に向けた研究

2016 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 26252037
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 福田 晋 九州大学, 農学研究院, 教授 (40183925)
• 研究分担者: 堀田 和彦 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (00192740) ; 清水 邦義 九州大学, 農学研究院, 准教授 (20346836) ; 森高 正博 九州大学, 農学研究院, 准教授 (20423585) ; 新開 章司 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (30335997) ; 菊地 昌弥 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (30445689) ; 豊 智行 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 教授 (40335998) ; 成田 拓未 東京農工大学, 農学研究科, 助教 (50614260) ; 李 哉ヒヨン 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (60292786) ; 神代 英昭 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (60431699) ; 後藤 一寿 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食農ビジネス推進センター, 上級研究員 (70370616) ; 石塚 哉史 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (70571016)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: ターゲットマーケティング / 加工食品輸出 / ジャパンブランド / プロモーション / 食品輸出 / チャネル選択

研究実績の概要

わが国の農林水産物・食品輸出の特徴として、①加工食品や水産物のみで過半数を占めており、果実・野菜、畜産物、穀物等は小規模で推移している点、輸出相手国・地域の上位は概ねアジアに集中している点が明らかとなり、限定された範囲での輸出である。②輸出事業主体の中心は県等輸出促進協議会・公社及び農林水産業協同組合から食品企業・商社へと民間セクターへ徐々にシフトしている。③輸出推進政策に伴う支援事業の増加に触発され、輸出に取り組む事業主体が増えたため、日本産農産物・食品の輸出が活発な国・地域においては産地間競争が発生しつつある段階に至っている。
欧州諸国をターゲットマーケットとした有機食品（緑茶、味噌、醤油など）の輸出拡大について。①有機食品の専門店は、日本食品としてのアイデンティティや価値が保持されているほか、輸出側による前方チャネルの管理が相対的に容易。②有機食品市場の成長は著しく、慣行食品の輸出より有機食品の輸出に重点を置くべきであり、輸出を意識した国内の有機食品の供給力強化のための対策を講じる必要がある。
シンガポールや香港での和牛販売は増加しているが、現地での国産和牛の市場構造、輸入者の相対的に強い交渉力、輸出振興補助金のために販売費用以下で販売されていることを明らかにした。また、ジャパンブランドと個別ブランド間でのプロモーションに関する戦略行動に関して、個別ブランド間の同質性が高い場合は、ジャパンブランドの訴求は、個別ブランド間の差異をより認識しにくいものにする可能性が高いことを明らかにした。
加工食品全体を見ると、輸出金額は増大しているが、醤油、みそのような大手メーカー主導の輸出が主体である。現在わが国最大の輸出先となっている香港での輸出拡大の一因として、現地で多店舗展開する大手日系食品小売企業のチャネルが寄与していることを解明した。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 香港における農林水産物・食品の輸出拡大の一因と今後の展開に関する一考察－日系食品小売企業の実態をもとに－ (2017)
  • 著者名/発表者名: 郭万里・菊地昌弥・根師梓・林明良
  • 雑誌名: 農業市場研究 巻: 26.1 ページ: 印刷中
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 農産物輸出におけるマーケティング戦略の課題－ブランディング戦略の観点から－ (2016)
  • 著者名/発表者名: 森高正博
  • 雑誌名: フードシステム研究 巻: ２３．２ ページ: 98-112
  • DOI: 10.5874/jfsr.23.2_98
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] The Study of Beef Market Structure and Channel Competition in Ho Chi Minh City, Vietnaｍ (2016)
  • 著者名/発表者名: Thu, Tran Thanh., Masahiro Moritaka, Susumu Fukuda
  • 雑誌名: Journal of the Faculty of Agriculture, Kyushu University, 巻: ６１．２ ページ: 391-400,
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 日本産加工食品の輸出の意義と現段階 (2016)
  • 著者名/発表者名: 神代英昭
  • 雑誌名: 農業市場研究 巻: 25.3 ページ: 28～36
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 農産物・食品輸出の現段階的特質と展望」 (2016)
  • 著者名/発表者名: 石塚哉史
  • 雑誌名: 農業市場研究 巻: 25.3 ページ: 4-13
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 加工食品の輸出拡大に関する企業行動－大手みそ製造企業を事例に3Esと国際マーケティング論の視点から－ (2016)
  • 著者名/発表者名: 菊地昌弥
  • 雑誌名: 流通情報 巻: 48.4 ページ: 43-51
• [雑誌論文] わが国の農林水産物・食品の輸出拡大の方向性に関する考察－ケーススタディと国際マーケティング論の視点から－ (2016)
  • 著者名/発表者名: 菊地昌弥・林明良
  • 雑誌名: 農業市場研究 巻: 25.1 ページ: 62-68
• [雑誌論文] コメント 農産物輸出の継続的拡大に向けて－主に第1報告と第2報告に対して－ (2016)
  • 著者名/発表者名: 豊智行
  • 雑誌名: 農業市場研究 巻: 25-3 ページ: 37-38
• [雑誌論文] 福岡県糸島産農産物の抗酸化活性を指標とした機能性評価 (2016)
  • 著者名/発表者名: 中川敏法・永田敏郎・大貫宏一郎・森高正博・福田晋・清水邦義
  • 雑誌名: 九州大学農学芸誌 巻: 71.2 ページ: 29-35
  • DOI: 10.15017/1687705
• [雑誌論文] 農産物・食品輸出の現段階の成果と展望に関するコメント－加工食品の輸出を中心に－ (2016)
  • 著者名/発表者名: 菊地昌弥
  • 雑誌名: 農業市場研究 巻: 25.3 ページ: 39-42
• [雑誌論文] 農林水産物・食品輸出とTPP (2016)
  • 著者名/発表者名: 成田拓未
  • 雑誌名: 農中総研情報 巻: 57 ページ: 12-13
• [学会発表] 日本のりんご需給動向と生産者の対応 (2016)
  • 著者名/発表者名: 成田拓未
  • 学会等名: ”天柱山”経管論壇120期
  • 発表場所: 瀋陽農業大学
  • 年月日: 2016-10-01
• [学会発表] 日本のりんご市場の現状 (2016)
  • 著者名/発表者名: 成田拓未
  • 学会等名: 瀋陽農業大学園芸学院学術報告
  • 発表場所: 瀋陽農業大学
  • 年月日: 2016-09-01
• [学会発表] りんご生産者によるシードル生産に関する一考察：弘前市の事例を中心に (2016)
  • 著者名/発表者名: 成田拓未
  • 学会等名: 東北農業経済学会
  • 発表場所: 弘前大学
  • 年月日: 2016-08-18
• [学会発表] 第2報告『りんご産地での国際化対応と課題』へのコメント (2016)
  • 著者名/発表者名: 成田拓未
  • 学会等名: 東北農業経済学会青森大会シンポジウム
  • 発表場所: 弘前大学
  • 年月日: 2016-08-18
• [学会発表] 日本産加工食品輸出の意義と現段階 (2016)
  • 著者名/発表者名: 神代英昭
  • 学会等名: 2016年度日本農業市場学会大会シンポジウム
  • 発表場所: 徳島大学
  • 年月日: 2016-07-01 – 2016-07-03
• [学会発表] 農産物・食品輸出の現段階的特質と展望 (2016)
  • 著者名/発表者名: 石塚哉史
  • 学会等名: 2016年度日本農業市場学会大会シンポジウム
  • 発表場所: 徳島大学
  • 年月日: 2016-07-01 – 2016-07-03
• [学会発表] 農産物輸出の意義と現段階の成果・展望 (2016)
  • 著者名/発表者名: 菊地昌弥
  • 学会等名: 2016年度日本農業市場学会大会シンポジウム
  • 発表場所: 徳島大学
  • 年月日: 2016-07-01 – 2016-07-03
• [学会発表] 農林水産物・食品の輸出拡大の方策に関する一考察―香港の日系食品小売企業の実態をもとに― (2016)
  • 著者名/発表者名: 郭万里・菊地昌弥・根師梓・林明良
  • 学会等名: 2016年度日本農業市場学会個別報告
  • 発表場所: 徳島大学
  • 年月日: 2016-07-01 – 2016-07-03
• [学会発表] 農産物輸出における販路の多様化と産地の対応に関する一考察 (2016)
  • 著者名/発表者名: 成田拓未
  • 学会等名: 日本農業市場学会
  • 発表場所: 徳島大学
  • 年月日: 2016-07-01 – 2016-07-03
• [学会発表] 農産物輸出におけるマーケティング戦略の課題 (2016)
  • 著者名/発表者名: 森高正博
  • 学会等名: 日本フードシステム学会大会シンポジウム報告
  • 発表場所: 東京海洋大学品川キャンパス
  • 年月日: 2016-06-18
• [学会発表] リンゴの輸出戦略―青森県産リンゴによる台湾輸出を中心に― (2016)
  • 著者名/発表者名: 石塚哉史
  • 学会等名: 日本技術士会平成28年6月期農業部講演会
  • 発表場所: 日本技術士会
  • 年月日: 2016-06-04
• [学会発表] 日本産農産物・食品輸出における広告効果の事前測定とブランド戦略策定 (2016)
  • 著者名/発表者名: 森高正博・Tran Than Thu・福田 晋
  • 学会等名: 九州アグロ・イノベーション
  • 発表場所: マリンメッセ福岡
  • 年月日: 2016-06-02 – 2016-06-03
• [図書] 石塚哉史「東日本大震災・原発事故以降の青森県産リンゴ果汁における輸出マーケティングの展開と課題」ビクター・カーペンター・黄孝春・神田健策編『グローバル下のりんご産業－世界と青森―』 (2017)
  • 著者名/発表者名: 石塚哉史
  • 総ページ数: 290
  • 出版者: 弘前大学出版会
• [図書] 成田拓未・石塚哉史「中国におけるリンゴの生産・消費の現段階」カーペンター・ビクター 黄孝春 神田健策編著『グローバル下のリンゴ産業－世界と青森－』 (2017)
  • 著者名/発表者名: 成田拓未・石塚哉史
  • 総ページ数: 290
  • 出版者: 弘前大学出版会