研究課題/領域番号 |
26280117
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水嶋 英治 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (70372886)
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研究分担者 |
吉田 右子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (30292569)
宇陀 則彦 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (50261813)
白井 哲哉 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (70568211)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 図書館情報学教育 / 図書館情報専門職養成 / 資料保存 / デジタルアーカイビング / MLA連携 / 情報アーキテクチャ |
研究実績の概要 |
筑波大学図書館情報メディア系が所蔵する国立図書館情報大学、国立図書館短期大学を中心とする本系前身校資料を対象に「21世紀図書館情報学アーカイブズ」の構築を中核として、平成27年度は以下の調査研究を行った。 (1)歴史的資料群の精査作業の一環として、1960年代から1980年代の情報政策にかかわる資料の整理と目録化を行った。この目録は各々の現物資料を撮影し,図録形式による中間目録とした。(2)図書館専門職養成史研究の研究材料とするため、大正時代の前身校関連写真および前身校による文部省提出の陳情書等を電子化した。(3)国立図書館短期大学名誉教授馬場重徳のドキュメンテーションにかかわる資料群を整理・目録化するとともに、資料を用いて個人文書のアーカイブズ学的分析を行った。(4)前身校から継承した現物資料の電子化を行い、ウェブサイトに搭載するとともにデジタル展示の仕組みを設定した。(5)前身校から継承した現物資料を本系の教育と研究に活用するため、展示スペースを新たに設営した。図書館情報学の教育的資料,教材等を厳選し現物資料を展示するとともに,撮影した画像を編集し,常時,展示されていない現物資料も画像情報によって提示することを可能にした。(6)図書館情報学とアーカイブズ学・博物館情報学の方法論的統合の可能性について研究を行った。(7)「メディア変遷史」と「世界主要国図書館員養成機関」について歴史的研究を行い、グラフィックデザインを作成した。このグラフィックデザインはポスターとして現物資料とともに展示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究中に多くの資料を継続的に発掘し,また寄贈を受けた資料などを含め,我が国における図書館情報学教育の全容が解明されつつある。筑波大学図書館情報メディア系や図書館情報学図書館に所蔵されていた現物資料も,一般に公開するべく展示公開を行い,本科研の初年度に行った現物資料の映像も一般公開できるように編集し,映像公開した。またインターネットでは,フェイスブックを通して,日英2か国語による情報も公開するなど,本年度の目標以上に達成している。
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今後の研究の推進方策 |
筑波大学図書館情報メディア系には、日本の図書館専門職養成の中核的機関の一つであった図書館情報大学(現筑波大学図書館情報メディア系/知識情報・図書館学類)およびその前身校の約一世紀にわたる図書館専門職養成の沿革にかかわる歴史的資料が残されている。本研究ではこれらの資料を対象に、図書館専門職にかかわる包括的なコレクションを整備し、利用のための仕組みを実装した「21世紀図書館情報学アーカイブズ」を構築する。さらにこのアーカイブを用いて、歴史資料コレクションのアーカイビングにかかわる技術的・社会的課題について総合的に検討するとともに、20世紀の日本の図書館界を俯瞰的に把握し館種を超えたマクロな視座から、図書館専門職の歴史的再検討を試みた上で、21世紀の図書館情報専門職モデルを提示する。
本年度(平成29年3月31日)の研究実施計画 平成28年度は、下記の各研究を進めるとともに、研究結果を統合し、本研究プロジェクトの総括を行う。 (1)文献資料の電子化(平成27年度に電子化できなかった文献)(2)1964年図書館短期大学設立から1979年図書館情報大学開学までの歴史研究(3)「メディア史に関わる常設展示コレクション」の拡張(4)ピッツバーグ大学図書館情報学関係現物資料の収集(5)韓国釜山大学との図書館情報学教育史に関わる共同研究(6)図書館情報専門職アーカイブを総合的に評価し、図書館情報専門職の再生モデルを提示する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた,図書館情報学教育の現物資料についてピッツバーグ大学から寄贈を受ける予定で出張を予定していたが,平成27年度は資料受入について実質的に間に合わなかったため,出張することができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度4月末から5月初旬にかけて,現物資料確認のためピッツバーグ大学に出張し,旅費を使用する予定である。
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備考 |
図書館情報専門職に関わる研究・教育に資する「21世紀図書館情報専門職養成研究基盤アーカイブ」の構築を目指し、文部省図書館員教習所、帝国図書館附属図書館職員養成所、図書館短期大学、図書館情報大学の関係資料を用いながら,「図書館情報専門職の歴史的資料の保存と利用に関する総合的研究」をFacebookを通して日英2か国語で紹介した。
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