研究課題/領域番号 |
26280118
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中山 伸一 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (60155885)
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研究分担者 |
上保 秀夫 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (00571184)
真栄城 哲也 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (30361356)
北村 達也 甲南大学, 知能情報学部, 教授 (60293594)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 情報検索 / 脳活動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,計算機を使用して人が情報検索を行なう際の脳活動データを,fMRI を用いて計測し解析することである.具体的な目的は,複数のメディアを対象とした情報検索実験を実施し,メディア毎の脳活動データに基づく情報検索行動のモデルを構築することである.特に,異なるメディアの情報を検索対象とすることで,これらの実験結果の比較からメディア特有の脳活動部位と,情報検索行動の中核部分を明らかにし,さらには,検索対象の各メディアについて,個人差がある思考パターン毎の脳活動部位の計測および認知機能の特定を目的としている.この目的のため,以下の事柄について実施した.これまでに,テキストの場合と比較するためのメディアとして画像を対象とした情報検索時の脳活動実験を実施してきた.統計的に十分な画像の場合の脳活動データを得るために,追加で12人の被験者を対象として,画像の情報検索時の脳活動実験を行なった.これによって,テキストを対象とした場合と同規模の被験者数の脳活動データが得られ,テキストの情報検索時の脳活動とより精度の高い比較をすることが可能となり,それぞれのメディア特有に必要な機能と,情報検索に必要な基本的な機能を見出すことが可能となる.さらには,これまでに実施したテキストと画像を対象とした脳活動計測で,それぞれの場合において,被験者が考える検索語と,テキストの内容の関連性,そして画像の色の使われ方との関連性について,より詳細に解析することで,より精度の高い検索時の脳活動を計測できることが判った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
画像データの情報検索時の脳活動について,統計上,十分な被験者数の脳活動データが得られており,テキストデータの場合との比較を進めている.また,検索語と,文章の内容の関連性,そして画像の色の使われ方との関連性について,より詳細に解析することで,より精度の高い検索時の脳活動を計測できることを見出した.
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今後の研究の推進方策 |
被験者数を増やした画像データの脳活動実験結果が得られているため,テキストデータの場合との比較を含め,解析を進める.また,被験者が考える検索語と,テキストの内容の関連性,そして画像の色の使われ方との関連性について,より詳細に解析することで,より精度の高い検索時の脳活動を計測できることが判り,そのために追加実験を行なう.メディア毎のデータコレクションの構築も進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では fMRI 装置を用いて情報検索時の脳活動データを計測している.これまでに実施した文章と画像を対象とした脳活動計測で,それぞれの場合において,被験者が考える検索語と,文章の内容の関連性,そして画像の色の使われ方との関連性について,より詳細に解析することで,より精度の高い検索時の脳活動を計測できることが判り,そのために追加実験を行なう.この検討と,追加実験の実験条件の設定および実験システムの検討に時間がかかったため,追加実験の実施を来年度に行うことにした.
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