本研究は、まず、7,8位に遊離水酸基を有するシアル酸糖供与体が非アセトニトリル溶媒中で高いα選択的グリコシル化が進行することを明らかにした。さらに、ジシアル酸を有するアレンモノマーのニッケル触媒を用いる重合により、狭い分子量分布を有する糖鎖高分子の合成を達成した。その糖鎖高分子は、Siglec-7とGD3との相互作用を阻害できることを見出した。さらに、デキストランにジシアル酸ユニットを結合させたプローブが、より低濃度でそれら相互作用を阻害できることを明らかにした。今後は、これらのプローブの細胞への影響を精査していく予定である。
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