研究課題
免疫機構の制御は、多くの疾患の理解と治療に繋がることからその解明・展開が期待されている。本研究においては、自然免疫―獲得免疫の連携を担う外因性および内因性分子の化学合成法開発と機能解析さらには新規制御分子創製を目指して研究を進めた。すなわち、自然界に存在し、免疫調節に関わると考えられる複合脂質および複合糖質について、特に合成例のない化合物を中心として種々の生物種由来の分子およびヒト由来の構造について化学合成を行った。また、免疫調節作用を解析するとともに複合脂質を認識することにより免疫機構の調節に関わるタンパク質との相互作用解析を行い、これまで明らかになっていなかった構造活性相関について初めて明らかにすることに成功した。活性分子の脂質部位の構造あるいは分子内における立体構造の差異により、サイトカイン誘導あるいは免疫活性化のバランスが異なり、免疫調節に関わる機能の違いが示唆された。また、感染症や癌等の疾患治療の基盤となる免疫機能調節可能な複合型分子創製を指向した合成法開発と複合型分子合成を行い、その機能評価と得られた合成分子を用いた解析を行った。すなわち、複合化分子に分子プローブとしての機能を付加することにより免疫活性化機構の詳細な解析を目指した解析を行った。その取り組みの一つとして、蛍光標識化および得られた構造を用いたイメージングを行った。以上の研究により、免疫制御機構の理解とともに免疫機構の制御を可能とする分子の発見・創製を行った。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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