研究課題/領域番号 |
26284134
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
野間 晴雄 関西大学, 文学部, 教授 (00131607)
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研究分担者 |
中村 周作 宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (00305062)
小口 千明 筑波大学, 人文社会系, 教授 (20169254)
木庭 元晴 関西大学, 文学部, 教授 (40141949)
松井 幸一 関西大学, 文学部, 助教 (40612437)
西岡 尚也 大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (60336360)
伊東 理 関西大学, 文学部, 教授 (70116309)
中西 僚太郎 筑波大学, 人文社会系, 教授 (70202215)
矢嶋 巌 神戸学院大学, 人文学部, 准教授 (80513845)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 黒潮 / ネットワーク / 紀伊半島 / 土佐 / 食文化 / 房総 / 技術移転 / 伊豆 |
研究実績の概要 |
第2回研究集会を千葉県銚子市で4月25日~26日に開催した。共通テーマは「房総・伊豆・紀伊の黒潮の道」で,野間晴雄「黒潮の道としての紀伊・土佐・伊豆・房総」,室井房治(「銚子山十」当主)「銚子の醤油―江戸の昔から造られている醤(ひしお)について―」,山下琢巳(城西大)「銚子市街形成史―複合都市の産業変化―」,三木一彦(文教大)「外川・銚子における紀州移民の動向」齋藤鮎子「焼津の水産・加工業についての予察」,石坂澄子「寒天の流通形態-伊豆のテングサ漁を中心として-」の発表と議論をし,翌日は銚子市内の外川などで現地討議した。第3回研究集会は6月13日~15日に宮崎大学で実施した。テーマは「房総・四国・南九州の黒潮の道」で,中村周作「伝統的魚介食からみた黒潮文化圏と他地域との比較研究-農文協『日本の食事シリーズ』の分析より-」,関信夫「千葉県にみる黒潮文化の様相」,野間晴雄・松井幸一・齋藤鮎子「高知県土佐市域における「黒潮の道」の調査への予察と展望」を議論した。第4回研究集会を地元自治体の協力を得て和歌山県湯浅町・広川町周辺で実施し,各人がこの地域での調査を行うとともに,夜に全体討論を行った。 第5回研究集会を2016年3月23日に関西大学東京センターで開催した。話題提供は以下の通り。中村周作「黒潮文化圏における伝統魚食に関する序論的研究」,西岡尚也「ジョン万次郎の漂流と世界地図-地理教育の視点から-」,松井幸一「土佐市の黒潮関連総合調査について」,小口千明「黒潮文化と瀬戸内の暮らし」,野間晴雄「紀州・湯浅と広村における後背地と進出地―黒潮の道に関連して―」,石坂澄子「寒天及びテングサの輸出入の変遷に関する考察」,矢嶋巌「黒潮沿岸域における薪炭生産について」,中西 僚太郎「南海の理想郷建設―大正・昭和期の南房総を事例に―」。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
各人が分担地域・項目について個別に調査し,その成果を4回実施した研究集会で発表し,メンバー相互で討論した。とくに2015年8月には和歌山県で2回目の研究集会を湯浅町,広川町で実施し,ゆるやかな相互連携をとりながら,この地域を「黒潮の道」にどう位置づけるかを議論した。 今後はこの方法をを踏襲しながら,2016年の8月に房総地域,とくに勝浦市での共同調査を考えている。 2015年度は4回の全体研究集会をして多くのメンバーやゲストスピーカーを招へいしての会合をもったため,当初の予算を使い切ってしまい,前倒しでの基金からの予算申請を行った。また,2016年度に予定していた台湾での国際シンポジウムは研究者と密に連絡をとることで実施しない方針を決定した,そのほかの進捗状況は順調か当初の予定以上の調査は行われているため,予算が払底気味である。
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今後の研究の推進方策 |
第5回の研究集会でのビジネスミーティングで,2016年度に予定していた台湾での国際シンポジウムは研究者と密に連絡をとることで実施しない方針を決定した。しかしプロジェクトとしては黒潮の起点としての台湾,フィリピンなどの研究状況は十分把握し,かつ研究者との連絡は継続することも確認された。2016年度は8月に千葉県勝浦市,御宿町等での自治体の協力を得ての共同調査を実施すること,2017年3月の日本地理学会大会(筑波大学)で,黒潮科研のメンバーでの独自セッションをもって成果発表をすることを予定している。 各人・各班のの南九州,土佐,南紀,伊豆,房総の調査は継続するとともに,地元への還元も念頭に置くことをめざしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度は研究代表者が前半在外研究にでかけており,予算執行の開始が遅れた。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度は日本国内での調査に集中するとともに,早い時期からの予算執行を心がける。 1.9月に3泊4日で千葉県勝浦市・御宿町周辺での共同調査を実施する。参加者には全体経費から旅費を支出する。それに関連する書籍・地図等の資料購入も行う(消耗品費)。2.各人は南九州班,土佐班,南紀班,駿豆班,房総班にわかれて担当地域の調査を随時実施するため,旅費を充当する。3.2017年3月に筑波大学で開催される日本地理学会で,黒潮科研のメンバー数人によるセッション発表と研究集会に旅費を充当する。4.モノグラフ,中間的なワーキングペーパーを1~2冊刊行の予定である。5.消耗品はPCの周辺機器と地図類を中心に支出する。
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