研究実績の概要 |
最終年度にあたるため,2017年3月に筑波大学での日本地理学会シンポジウム「黒潮の道―地域学的比較研究をめざして―」を開催し,その後,この要旨が今年度E-journal GEOに公開された(VOL.12-1,164-167頁,2017)。メンバーとはこの手法や成果をめぐって議論して,最終報告書である論集を2019年秋までに刊行すること,その基本方針は複数地域の交流や比較を軸に据えること,地誌としての小モノグラフを随所に入れて全体として「黒潮の道」の地域学的比較が顕在化するようにつとめることを確認した。 2017年8月23日~8月27日に,野間,中村,水田,関,石坂,齋藤,舟越の7名で八丈島を訪問し,八丈島歴史民俗資料館での学芸員のブルーフィングをうけたのちに第8回研究集会を開催し,さらに全域にわたって地域調査を実施した。 最後の全体研究集会(第9回)は2018年2月10日~11日に和歌山市加太で開催した。藤井保夫(元和歌山県県文化遺産課長)「加太・友が島についての歴史」の話題提供を受けて,全員で討議した。さらにここで,最終報告書の大まかな目次案を作成した。翌日は水田義一氏を中心に加太の港町を視察した。荒天のため予定した友が島へは渡航できなかった。 このほかに石坂は伊豆大島等の調査(2017年8月),中村,石坂,齋藤は西伊豆の漁村調査(2018年3月),野間は五島列島中通島へ紀州漁民の移住調査(2018年3月)を実施した。 2018年3月に東京学芸大学で開催された日本地理学会で,最終報告書の著書について出版社と交渉を行い,再度,一部の内容を再検討することになった。
|