研究課題/領域番号 |
26285171
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
田中 正弘 弘前大学, 21世紀教育センター, 准教授 (30423362)
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研究分担者 |
森 利枝 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 研究開発部, 准教授 (00271578)
渡邊 あや 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (60449105)
武 寛子 愛知教育大学, 教員養成開発連携センター, 講師 (60578756)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教育政策 / 大学の質保証 / 学生参画 / 国際比較 / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,「学生参画」(Student Engagement)による大学の質保証の実態を,7カ国(イギリス,フィンランド,スウェーデン,アメリカ,オーストラリア,および台湾)を対象に分析し,その分析結果を基に学生参画の日本型モデルを構築することにある。 この目的の達成に向けて,今年度は,先行研究および一次資料を収集・分析し,フィンランド,イギリス,台湾のフィールドワーク(聞き取り調査)を実施した。具体的に,8月20日に第1回研究会を弘前大学で実施し,文献調査の成果を報告した。また,10月5日~11日に,フィンランドのヘルシンキ大学やアアルト大学などの質保証部門や学生組合を訪問し,学生参画による大学の質保証は学生の義務であるという考え方が学生自身や大学教職員に共有されていることを確認できた。また,学生参画が学生組合の豊富な財政力に支えられている構図を知り得た。12月14日~19日に,イギリスのバーミンガム・シティー大学やローハンプトン大学などを訪問し,政府主導の試みとして,質保証への学生参画が2000年代後半頃から急激に普及した状況を見聞きすることができた。それから,3月8日~12日に,台湾の逢甲大學などを訪問し,学生の声を教員評価に活用している実態を検証することができた。 これらの訪問調査・文献調査の成果は,2015年6月に開催予定の日本高等教育学会(会場校:早稲田大学)で報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記載した研究期間内に明らかにしたいことの四つのうちの二つ,「(1)学生参画による大学の質保証は,各国において,どのように発展してきたか」,「(2)質保証に参画する学生は,どのような団体から,どのように選ばれるのか」に関する実例を文献調査と現地調査で詳細に分析できたこと,および,その分析成果として,学生自らが学生参画をどのように考えているかが国ごとに異なり,その差異が学生参画に求める成果の差を生んでいる可能性があるという新たな研究の視点を得られたことがある。この学生参画の考え方の差の考察が,明らかにしたいことの三つ目「(3)質保証への学生参画は,彼ら自身の学習活動の質を向上させるのか」の理解につながると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
文献調査と訪問調査の分析結果を,日本高等教育学会(2015年6月27日~28日:早稲田大学)で発表したい。なお,横浜国立大学で学生FDを推進してきた安野舞子(横浜国立大学)と東洋大学で学生FDを学生側の立場で体験してきた曽根健吾(横浜国立大学)の両氏に2015年度から科研に加わってもらい,実践面での報告を追加的に上記の日本高等教育学会で行ってもらうこととした。 2016年2月には,学生参画を研究している海外の専門家を6カ国から各1名ずつ招聘し,日本の報告も含めて,国際会議(会場:筑波大学)を開催する予定である。この国際会議を通して,日本人の視点だけでは得られない情報を集めることに注力したい。また,日本の情報を海外に伝達することにも力を注ぎたい。なお,この国際会議の成果は,英文の報告書としてまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は二つある。その一つは,研究分担者一名が産休・育休により,研究活動を中断することとなり,分担金の返納があったためで,もう一つは,アメリカの大学を対象とした訪問調査の日程調整が不調に終わったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
アメリカの大学への訪問調査を今年度に改めて実施する予定とした。
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