研究実績の概要 |
本研究は,欧州・米豪・東アジアの三地域における,学生参画(Student Engagement)による大学の質保証の実態を比較検討し,各国の制度の目的や効果および制度運営上の問題やその影響を明確にすることを目的としている。本年度は,2016年9月25日~10月3日に,アメリカの大学(ブリンマーカレッジとイーロン大学),および2016年11月12日~20日に,オーストラリアの大学(メルボルン大学、ビクトリア大学、ラトローブ大学)への訪問調査を行った。その成果として,例えば,イーロン大学では学内のIR活動に学生が参画する(教育に関するデータの分析を協同で行う)など,次の科研申請につながる情報を得られた。また,2017年3月22日~23日に開催されたSPARQS(スコットランド学生参画学会)の大会(エディンバラ大学)で,「Student Engagement in Quality Assurance: The Peculiar Form of Student Faculty Development in Japan」という発表を行った。この発表を通して,日本における学生参画の現状と課題を参加者と共有することで,外国人の目から見た多様な示唆をいただけた。 最終成果の公表のために,日本語あるいは英語で書かれた書籍を2冊出版する予定である。日本語版は科研のメンバーで分担執筆している。英語版は,2016年1月23日に開催した国際会議で招聘したメンバーを中心に,執筆を進めている。英語版の執筆者は,Alison Cook-Sather(アメリカ), Masahiro Tanaka(日本), Reiko Yamada(日本), Asa Kettis(スウェーデン), Jani Ursin(フィンランド), Stuart Brand(イギリス), Peter Felten(アメリカ), Ryan Naylor(オーストラリア), Eric S. Lin(台湾)の9名である。
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