電荷注入の手法として接触型ドーピングという機能設計を提案した。界面では、電荷注入のみが起こる場合と、分子性錯体が形成される場合がある。 単成分母体結晶の場合、蒸気圧の低い接触物質との界面では電子のやり取りのみが起こるが、酸化還元電位の差から電荷注入が起こらないと予想される場合でも伝導度が増加することが見出された。母体結晶が中性基底状態のTCNQ錯体の場合、TTF蒸気との接触で表面にナノサイズのTTF-TCNQ針状結晶が高秩序に配列した薄膜が形成されることを見出した。母体結晶が分離積層構造のアニオンラジカル塩の場合、強力な受容体と接触させることで絶縁体状態にホールが注入されることを見出した。
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