温度変化型液晶を示す分子の多くは剛直なコアと柔軟なアルキル鎖を併せ持ち,液晶相ではアルキル鎖は高度に乱れた状態にある.このため,液晶相をコアとアルキル鎖という二成分からなる考える擬二成分描像が有効である.本研究では,この視点に立って,ミクロ相分離の結果としての層状液晶相を取り上げた.液晶における異方性拡散の測定と解析,SmE相の膨潤挙動の観測,液晶類のシステマティクス解析による構造の理解,複雑な液晶相の凝集構造に対するモデルの構築,テラヘルツ時間領域分光(THz-TDS)システムの構築とSmE相など測定を実施し,成果を論文,学会発表の形で公表した.
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