本研究では三重鎖形成核酸との三重鎖形成により機能を制御することのできる人工DNAを開発した。まず、DNAの遺伝子としての性質を制御することを考え、メジャーグルーブ側に水素結合供与部位をもった修飾ピリミジン塩基をDNAに導入し、T7-RNAポリメラーゼによる転写と三重鎖形成反応による転写制御を行った。その結果、上記DNAは予想通り、修飾ピリミジンと水素結合を形成する三重鎖形成核酸を用いることで転写が阻害された。また、水素結合に替わる分子間相互作用として、芳香環のスタッキング相互作用が期待される5位置換蛍光塩基をDNAに導入したところ、予想どおり三重鎖形成により蛍光特性を制御することができた。
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