表皮特異的PLCδ1遺伝子欠損マウス、3次元ヒト人工皮膚モデル系を用いて、PLCδ1発現抑制が分化抑制とバリア機能の低下を誘導する事を明らかにした。その分子機構として、フィラグリンのプロセシング異常や表皮顆粒層のバリアに重要なタイトジャンクションの形成異常を見出した。タイトジャンクションを構成するZO-1の発現低下、Rhoの不活性化、p38MAPキナーゼの活性化等の異常が生じ、これが表皮バリア機能不全をもたらすことが判明した。また実際の乾癬やアトピー性皮膚炎の患者皮膚でのPLCδ1発現が顕著に低下していることが判明し、こうした疾患とリン脂質代謝酵素PLCδ1の関連性が示唆された。
|