研究課題
今回我々は、microRNAと薬剤耐性遺伝子との関係に着目し、脳腫瘍の治療薬であるTMZに対する薬剤耐性遺伝子であるMGMTの発現量に関わるmicroRNAを同定し、その治療効果への影響および内因性のMGMT発現調節機能として薬剤耐性に関わる重要性を調べた。microRNA(miR-655)がMGMTのmRNAを6割程度に発現抑制していた。さらにmiR-655を過剰発現させると、蛋白レベルでもMGMTの発現抑制が認められた。MGMTのmRNAとmir-655は直接結合していことを確認し、細胞株T98GにmiR-655を過剰発現させると、TMZに対する感受性が濃度依存性に亢進した。In vivo脳腫瘍モデルを用いても、miR-655がTMZ感受性を向上させ、マウスの生存期間延長を来たした。さらに、近年、膵がんや乳がんにおいて、 (pro) renin receptor ((P)RR) 発現の上昇によるWnt receptor complexを介したprogenitor cellからのがん化が報告されている。神経膠腫において、grade II~IVのgliomaで(P)RRが発現し、悪性化に伴い(P)RR発現が亢進した。 (P)RR発現量はKi-67 labeling indexと正の相関を示し、(P)RR発現量の多い群は生存期間が短かかった。また、(P)RRはWnt/β-catenin signaling pathwayを介して細胞増殖に関与し、knockdownすることで、 Wnt/β-catenin signaling pathwayの発現を低下させ、アポトーシスを誘導すると考えられた。(P)RRはWnt/β-catenin signaling pathway介し、細胞のがん化および細胞増殖に重要な役割を果たしており、分子治療の標的となる可能性が示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 8件)
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