研究課題
これまでの我々は緑内障患者を対象として、緑内障の進行速度に関わるマーカー候補としてRNAをターゲットに調べてきた。しかし緑内障関連の感受性遺伝子(CDKN2B-AS1、ABCA1、CAV2、SIX6、CDC7/TGFBR3、FNDC3B、ATOH7)の発現は多様であり、背景因子をそろえて統計学的に解析するのは症例数不足から困難と判断した。そこで本年度は正常眼圧緑内障患者のコントロールとして、遺伝的要因の少ない白内障、黄斑円孔といった疾患の血液を採取しCAGE法による解析した。コントロール群、緑内障群の全体的になプロモーター発現プロファイルをクラスター分析および多次元尺度構成法を用いて評価した。これらの解析では緑内障群とコントロール群の発現プロファイルに差異を認めた。次に緑内障群とコントロール群のディファレンシャル解析を行い、緑内障群において、発現が亢進および低下しているプロモーターを抽出した。これらのプロモーターから酸化ストレスや成長、細胞死、細胞間接着分子など関与する遺伝子の発現が緑内障、コントロールで異なることが示唆された。これらの遺伝子はバイオマーカーとして応用できる可能性があり、今後の研究においてさらなる検証が必要と考えられた。また、今回の解析にあたり、緑内障群とコントロール群のCAGE解析において、バッチ間の違いによるデータ変動を見るために緑内障7例を再解析した。新たに解析した緑内障7例において、バッチ間の差は小さく、両群の比較において問題がないことを確認した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific reports
巻: 6 ページ: -
10.1038/srep28736