研究課題/領域番号 |
26301007
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
藪長 千乃 東洋大学, 国際学部, 教授 (10364845)
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研究分担者 |
片瀬 葉香 九州産業大学, 商学部, 講師 (40513263)
岡澤 憲芙 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 名誉教授 (60063773)
木下 淑恵 東北学院大学, 法学部, 教授 (70308229)
秋朝 礼恵 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (80623454)
清水 由賀 東北福祉大学, 総合福祉学部, 講師 (60756352)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 北欧福祉国家 / 高負担高福祉 / ワーク・ライフ・バランス / 観光人材育成 / 世界遺産 / 戦略的観光政策 |
研究実績の概要 |
本研究では、旅行・観光業における人材育成と労働市場、女性の労働市場参加、移民への対応、文化・芸術・教育への取組、高福祉高負担型福祉国家枠組との関係性等について、現地での聞き取り調査及び日本での研究会における比較検討を行うことを主軸として研究を進めてきた。 平成28(2016)年度は、2年目までの研究結果によって明らかになった各国の特徴について、各テーマの調査分析結果を踏まえながら、これら特徴を生み出した背景について各国政府、関連団体への聞き取り調査を実施し、旅行・観光業振興の牽引力の存在、これらをサポートする観光施策の重点政策化、国家戦略としての観光産業振興について分析することを計画していた。 実際に、研究会ではこれまでの研究内容を整理し、北欧諸国における観光と福祉国家システムの連関について、一般化を図り、応用可能性を探るための検討を行った。さらにこれまでの研究成果の一部について研究発表を行った。 具体的には、2016年8月にスウェーデン・ストックホルムにて、2016年10月に京都にて、2016年12月に仙台にて研究会を開催し、おおよその概念整理を行い、これら概念の連関図を作成したほか、各自が収集した情報を共有した。また、研究者各自がそれぞれの分担内容に沿って現地調査を行い各国政府や関連団体において情報収集を行ったほか、2017年3月に合同で北欧世界遺産協会の聞き取り調査を行った。研究発表は、博物館法等観光関連法制度の変化に関する研究の雑誌発表、教育に関する学会報告などである。 12月の研究会では、さらに、研究成果の集成についての論点整理を行い、おおよその骨格(北欧観光モデル)を作成し、1月に詳細な発表計画を策定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
それぞれ各自が調査対象としている地域と領域(労働市場、世界遺産、法制度など)について、詳細な資料の収集を行い、情報収集に関しては一定の豊富な量を得ることができた。 本年度はこれまで収集した情報から理論構築を図るための概念整理を行うことと、福祉国家枠組及び政府の戦略的政策構築の視点から主要関連アクターへのインタビュー調査などを行う予定であったが、これも順調に実施することができた。 さらに、これまでの研究成果の一部を発表することもできた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、研究成果の集成についての論点整理を行い、おおよその骨格(北欧観光モデル)を作成し、詳細な発表までの論文執筆等の計画を策定した。平成29(2017)年度は、この計画にそって各自が論文等執筆を行う。さらに、モデルの検証や必要な補足調査等を実施する予定である。 これらは、おおむね当初の計画どおり進んでおり、計画の大きな変更や研究遂行上の課題等はない。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、研究成果の一般化、応用可能性を検討し、モデルを構築するために、これまでに現地で収集した情報・データとインターネットを通じて入手できる情報・データを日本において整理・検討することに注力した。そのため、現地調査のための外国旅費等の一部について残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28(2016)年度に構築した仮説モデルについて、検証し、応用可能性を検討するために残額を当てる必要がある。検証等のための現地調査旅費にあてる予定である。
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