研究課題
基盤研究(B)
北欧諸国における観光開発は、観光需要の創出と観光供給の整備の両側面から考える必要がある。ネオ・コーポラティズムの中で構築された福祉国家は、中間階層である市民に対して、休暇に観光を楽しむことができるほどのゆとりある労働環境と生活水準の確保を整備してきた。これを通じて、観光需要が内発的に確保されてきた。一方、厳しい自然環境や不利な立地のなかで、観光資源は限られているが、イノベーション等を通じて比較的効果的に活用されている。これを支えているものとして、イノベーション創出支援や移民の社会的包摂、さらには人材育成や景観保全等への政府の強い関与などの福祉国家による直接的・間接的支援が重要であった。
比較福祉政策、福祉国家論